鹿児島県警の現役職員による犯罪行為を隠ぺいしようとしたとして、鹿児島県警本部長の野川明輝氏が告発されています。
華々しいキャリアを積んで鹿児島県警に赴任した野川明輝氏とは、どんな人物なのでしょう?
野川明輝本部長の経歴は?
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外務省や内閣官房への出向経験もあるキャリア官僚
野川明輝本部長は、国家公務員試験に合格し、東大卒業後に警察庁の総合職としてキャリア官僚のルートを歩んできた人物です。
外務省出向時には、先の平成天皇・皇后両陛下のハワイ訪問の警護を指揮する重役を担いました。
東京オリンピック、パラリンピックでは警備の責任者として企画立案を行うなど、かなり頭脳明晰で優秀な人物という事がうかがえます。
柔らかい語り口で一見物静かそうな印象
2022年のTBSのインタビュー映像を見ると、野川本部長は警察官らしからぬ柔らかい語り口で、一見すると物静かそうな人物に見えます。
「鹿児島県民からすると『どうして野川という男が来たのだろう』と思っているかもしれないが、これまでの自分の経歴の集大成だと感じている」
「私の経歴を生かす場面があるからこそ鹿児島に来ている。縁の深さを糧にして取り組んでいきたい」
柔らかい物言いとは裏腹に、「自分の経歴の集大成」「私の経歴を生かす場面がある」といった自信を随所に見せています。
自分の経歴にかなり自信を持っているようです。
野川明輝本部長の評判は?
野川本部長による隠ぺいを告発した本田尚志容疑者(元生活安全部長)は、野川本部長の人柄を次のように評しています。
「独断ですべてを決められる方」
野川本部長は、独断ですべてを決められる方で、我々の考えを本部長に提案しても、本部長の一存で否定されることが多く、多くの職員が疲弊し、考えても無駄だという雰囲気が広がっていきました。
不祥事の捜査開始に印鑑を押さず
2023年12月に枕崎のトイレで起きた盗撮事件などの捜査開始に対して、野川本部長は承認の印鑑を押さず先延ばしにしたと告発されています。
「県警の不祥事が相次いでいた時期だったため、新たな不祥事が出ることを恐れたのだと思います」
この盗撮事件は発生から約半年後の2024年5月、枕崎警察署地域課の巡査部長 鳥越勇貴 被告(32歳)が建造物侵入および性的姿態等撮影の疑いで逮捕されています。
野川明輝本部長はなぜ独断で隠ぺいしたのか?
キャリア官僚ゆえのおごりがあった?
非常に優秀な人は、どうしても一般人と考え方が合わない場面はよくあります。
野川本部長の場合も、周囲との考えの相違を多く経験してきたと考えられます。
通常なら、優秀な人の方が俯瞰的な視点があり、長期的にみて正しい事が多くあります。
しかし常に上層部にいて指揮をとる立場で、徐々に独善的になってしまった可能性があります。
警察の健全さより自分のキャリアが大事だった?
TBSのインタビューでも分かる通り、野川本部長は自分のキャリアに大きな自信を持っています。
キャリア採用組の全員が同じように出世できるわけではなく、厳しい競争に勝ち抜いて評価され、ひと握りの出世組に入らなければいけません。
ここまで登ってくるまでには、人知れず根回しや、出世に必要な人間関係の構築などに細心の注意を払ってきたものと思われます。
部下による不祥事は昇進を阻む大きな要因となるため、ここまで築いてきたキャリアを優先するあまり隠ぺいに走った可能性があります。
【追記】野川本部長は嫌疑不十分で不起訴が決定
警察官の不祥事を隠蔽したなどとして刑事告発されていた野川本部長ですが、2024年7月8日、検察は「嫌疑不十分」として不起訴としました。
これからは本田元生活安全部長が裁判の場で何を語るのかに注目が集まります。
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